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平成23(2011)年子ども読書ボランティア養成講座(アニマシオン入門)

開催日:平成23(2011)年9月8日、28日、10月21日、11月24日
テーマ:アニマシオン入門
講師:脇谷邦子(同志社大学嘱託講師)

兵庫県立図書館で開催した子ども読書ボランティア養成講座(*)の様子をご紹介します。
今年は、初めてアニマシオン入門講座を開催しました。

アニマシオンとは・・・
スペイン語で、「命を吹き込むこと、活性化、元気づけ」という意味です。
スペインで生まれた手法で、創始者のモンセラット・サルト氏が率いるグループが1993年にIBBY朝日国際児童普及賞(子どもの本の普及に尽くした団体に送られます)を受賞しました。
アニマシオンの具体的な方法は、「作戦」と呼ばれ、「読み間違えた読み聞かせ」「これ、だれのもの?」「いつ?どこで?」「何を言いたいの?」など各種の作戦があります。参加者が積極的に本で遊ぶという面が強い手法です。

■第2回(実践編1)

第1回(理論編)後、5〜6名のグループに分かれ、第2回目までに各自で「作戦」を考えて来ることになりました。
グループとして取り組む「作戦」を選び、対象年齢・参加人数・用意する物などを話し合います。
グループ名も決まりました。

初めて取り組むアニマシオン。
「作戦」の細かい所についての質問が各グループから続きます。
早くもシュミレーションをして「作戦」が実現可能か検討しているグループもありました。

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■第3回(実践編2と発表)

10月21日は、実践編2回目。引き続き、グループごとに「作戦」を練っています。
前回、グループ名を決めた効果か?旧知の仲のようなチームワーク!
受講者の皆さんは、室温が上がるほど熱心に取り組んでいました。

「エレベーターガールズ(Aグループ)」の作業風景
『エルマーのぼうけん』でアニマシオンのようです。
「ムーンレディ(Dグループ)」は、『つきのぼうや』を使っうようです。
手作業が続いています。
「アニ丸(Bグループ)」の作業風景
『みんながおしえてくれました』で作戦を練っています。
このカードは作戦の中でどのように使われる??
「しっくすば〜ず(Eグループ)」の作戦は、そろそろ完成?
先生のご指名で「しっくすば〜ず」の作戦が始まります!
作戦名:おうちさがしの大作戦
対象:幼稚園児
参加人数:20人
使用する作品『こすずめのぼうけん』

まずは、絵本の読み聞かせから始まります。
受講者の皆さんは、幼稚園児の気持ちで参加!
鳥たちをそれぞれの巣に入れています。

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■第4回(発表会)

「エレベーターガールズ」のアニマシオン

作戦名:「お悩み解決グッズゲットだぜ」
使用する作品:『エルマーのぼうけん』
対象年齢:小学校3〜4年生
用意する物:みかん島とどうぶつ島の地図、お悩み解決アイテムカード
方法:グループごとに悩んでいる動物を割り当て、お悩み解決グッズが入った封筒を1つずつ配る。

みかん島・どうぶつ島の地図をカラーで作成
二つ折りにして大きさはA0サイズほどの大作です!
各ブループが登場動物になったつもりで、悩みとそれを解決するグッズ発表します!

動物たちの悩みを解決するごとに、地図の上の小さなエルマーも移動しています。
動物たちの「お悩み」を全部解決したら・・・りゅうのこども・ボリスは、エルマーを背に乗せて飛び立ちました。

ボリスは、羽の動く折り鶴を応用したアイディア品!
会場からどよめきがおこりました。

「アニ丸」のアニマシオン

作戦名:「おしえてくれたのはだれ」
使用する作品:『みんながおしえてくれました』
対象年齢:小学校1年生
参加人数:30〜40名
用意する物:問いカード(封筒入り)・答えのカード
方法:グループごとに、誰が教えてくれたのかを尋ねる。

まずは、読み聞かせから。
この後、アニマシオンがあると知っているので、聞く方も真剣です。
だれが教えてくれたのか
問いカードを張り出したところです。
グループごとに正解だと思う動物のカードを取りに行きます。
答えのカードには、絵本に登場しない動物も・・・
最後は、読み聞かせをしつつ、グループごとに動物名を発表していきました。

「リピート」のアニマシオン

作戦名:「まごころをとどけよう作戦」
使用する作品:『おかえし』
対象年齢:小学校1年生
参加人数:20名
用意する物:おかえしの品物の絵カード
方法:たぬきときつねの奥さんが何をお返ししたかを尋ねる。

まずは、読み聞かせから。
集中の時間が続きます。
早速、たぬきの奥さんの「おかえし」
たぬきときつねの奥さんは、手首にはめて固定できるようになっています。
絵本の中だけでなく実際に「おかえし」を体験しました。

「ムーンレディ」のアニマシオン

作戦名:「月を探しに」
使用する作品:『つきのぼうや』
対象年齢:小学校1〜4年生
参加人数:20〜30人
用意する物:つなぎ合わせた絵と文章のカード
方法:ばらばらになったお話しの順序(絵と文章)を考える

この絵は、どっち??
普段からよく絵本に触れている大人ですが、真剣な議論が続いています。
子ども達にアニマシオンをした時に、こういう場面が再現できれば、次回からの深い読みにつながるのでは・・・
最後は、読み聞かせを聞きながら絵の繋がりを確認します。

「りらるれろ」のアニマシオン

作戦名:「おはなしを作ってみよう」
使用する作品:『てぶくろ』
対象年齢:幼稚園児〜小学校2年生
参加人数:多数(イベントを想定)
用意する物:てぶくろと動物の絵、文章と穴抜き部分の文章、回答用紙
方法:手袋の中に入っている動物を考えます。文章の流れを考えて穴あき部分を考える。

今回はスペースが狭くボードの前は、人の山。
こちらの文章の抜けも考えます。
順番に動物の絵をはめていきます。
穴あき部分を伏せた読み聞かせを聞きます。
そのあとで前に出て文章を当てはめていきます。

■講師より講評をいただきました

全般的に、アニマドール(*)が話すのはもう少し減らして、子どもたちとのやり取りを増やしてみてはどうかと講評をいただきました。
*アニマドール=アニマシオンを企画・実施する人を指します。

受講者にとっては初めてのアニマシオンという体験でしたが、このあとも勉強会をしたいなどの感想も聞かれました。
図書館員とボランティアがひとつのグループで作戦を練って作り上げることで、お互いを知り合うよい機会にもなり、絵本や読書についての考えを深めることもできたのではないでしょうか。
これから実際の活動にもチャレンジし、子どもたちに魂の揺れ動く喜びを体験してもらえるといいですね。

【アニマシオン参考資料】
・『読書へのアニマシオン 75の作戦』M.M.サルト著 柏書房  2001年
・『はじめてのアニマシオン 1冊の本が宝島』岩辺泰吏 著  2003年
・『みんなで楽しむ読書へのアニマシオン』黒木秀子 著 2010年
・『フランスの公共図書館60のアニマシオン』ドミニク・アラミシェル著 2010年
・『読書教育 フランスの活気ある現場から』辻由美 著 2008年

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