第51号(平成11年2月1日発行)

「二人」
ベンチに腰掛け、二人の女性のさり気ない様子をとらえた一枚の絵。
この絵が描かれた昭和51年当時、赤木蘇夫二氏は武庫川女子高校の美術科教師として教壇に立っておられた。二人の高校生をモデルにしたこの絵は、「一番楽なポーズで」という条件で、西宮のアトリエで制作されたものだという。
当時の女子高生が先生に呼びかける「ソブリーン!!」(作者の愛称)そんなはにかんだ声が聞こえてくるような、未だ何物にも染まらない素直で健康的な女性美を表現した作品である。基本を押え、技巧を凝らさず、徹底した写実主義。この頃から、氏の言葉で言う「私らしい」画風が確立されていったようである。
時は移り、その西宮のアトリエも震災で全壊したが、赤木氏は神戸市西区に居を移され、現在も活躍中である。
折しも、昭和51年は、県立図書館が協力貸出を開始し、本格的な相互協力センターとしての基礎づくりを進めていった年でもある。


新情報提供システム

これまで、県立図書館のコンピュータシステムは、外部の汎用コンピュータと専用線で接続した端末機によって図書のデータ登録、検索業務を行ってきた。
このたび導入予定の新コンピュータシステムはクライアント・サーバ方式で館内LANを構築し、図書館業務全般に渡るコンピュータ化を図るとともに、館内利用者にはOPACで、外部にはインターネットを活用して、蔵書情報を公開するものである。
新システムの稼働は平成11年10月の予定で、これにより、次のサービスを計画している。
  1. インターネットによる情報の提供

    1. 蔵書情報の公開
      県民はいつでもインターネットを通じて、県立図書館の蔵書検索を行うことができる。また、市町立図書館等からは、検索に続いて貸出申込もできる。
    2. レファレンスの充実
      国立国会図書館、学術情報センター、他県立図書館等とインターネットで接続することにより、県民等からのレファレンスが充実する。
    3. 県内公共図書館情報の提供及び情報交換
      県内公共図書館の所在地、利用案内、館の特徴等の情報を写真なども交えて提供するとともに、県内公共図書館間の情報の提供や交換のための掲示板を開設する。

  2. 来館利用者への情報提供

    1. OPACによる蔵書検索
      蔵書検索用のOPACを館内に設置する。OPACは用途に応じて、操作の簡易なタッチパネル式と漢字入力や複合検索等が可能なキーボード式の2種類を設置する。
    2. CD-ROMの閲覧、検索
      近年、目録や辞典等を中心に出版が増えてきたCD-ROMを閲覧する、検索するためのパソコンを設置する。


購入リクエスト

図書館では、本を購入するのに、通常図書館員が選書をして購入していますが、種々の理由により要求された図書を所蔵していないことがあります。この時に、利用者より購入リクエストにより要望をお聞きするという制度があります。
兵庫県立図書館でも、利用者や市町立図書館よりの購入リクエストを受け付けています。特に、昨年5月よりFAXでの申込みを始めましたところ、飛躍的に利用が増加し、一昨年までの2倍近くになっています。
ただし、あくまでも収集方針に従っていますので、時にはお断りすることがあり、これが担当する者にとって頭痛の種となっています。
ところで、市町立図書館からの購入リクエストの主なものとしては、1.豪華本や高価なもの、2.市町立では所蔵できないもの、というふうにいわれています。
1.については、はっきりしていますので、出来るだけ購入するようにしていますが、2.については、人により判断が分かれるものがほとんどです。我々も選定基準とにらめっこし、いろいろと意見を交わしています。最後は、出来るだけ多くの人に利用されるか、資料として保存されていくべきものかというようなことを考えて決定します。
この決定後が、担当のつらいところで市町立図書館の担当者に結果をお伝えし、ご理解をいただかなくてはなりません。市町立の方は、また住民の方にお伝えしなくてはいけないという辛い業務が待っていることを思うと本当に、十二分の資料費があればと願います。
また、リクエスト本は出来るだけ早くお届けできるよう努めるとともに、途中経過についてもお知らせするようにしていますが、なかなか本が届かず、結局、品切れ再版見込みなしという返事が来ることがあり困ってしまいます。でも来年度には、発注システムも変更になる予定ですから、もっと早く皆様の要望に応えられると思いますので、期待していて下さい。


トライやるウィーク

県下で「トライやるウィーク」が実施され、当館でも11月9日〜13日の5日間、市内5中学校から男子4名、女子8名の生徒を受け入れました。
1日目は、図書館についての講話をし、館内案内をしました。2日目からは4班に分かれ、資料課、協力課、調査相談室、郷土資料室で各班ごとに活動を指導しました。各課での活動内容は下記の通りです。

資料課
・全国書誌のWチェック
・バーコードラベル等の貼付
・資料のリスト作り

協力課
・協力貸出の図書集荷作業
・ビデオライブラリー受付
・視聴覚資料整理

調査相談室
・レファレンス
・書庫出し、書架整理

郷土資料室
・新聞整理作業
・資料のリスト作り

なお、生徒からは次のような感想がありました。
「図書館では本を片付けるだけかな、と思っていたけれど、いろいろな仕事をしてみて、すごく大変な仕事だと思いました。」
「最初は聞いたこともないような課を見て何をするのか、又、私みたいな中学生に出来るのか、と不安でした。でも実際にやってみると、最後にはどの仕事でもやって良かったという満足感でいっぱいでした。。一週間新鮮な気持ちで取り組めました。」
「本を読むのは大好きで、見ていて読みたい本はいっぱいあったので、これからも図書館を利用させてもらいたいと思います。もし将来勤めるとしたら、だぶん実際の仕事はもっともっと何千倍も難しいと思うけれど、本に囲まれて仕事をするのはいいなと思います。」


レファレンスあれこれ

れふぁれんす
今回はまだ「レファレンス」とカタカナ表記にならないヘテラン(ママ)のお話です。

1.『光の王妃はありますか』

ある図書館より、レファレンスがありました。(彼の有名な)ツタンカーメンのお后のことについての本だそうです。後の手がかりは「0」で、お客様が、そういう題だったと言われるそうです。著者はクリスチャンさんらしいと言います。既にある図書館では、日本書籍総目録などは調べられているので、県立にあるツールを使います。
まずはJ-BISC。97年からこのツールは調相必須のアイテムになりました。
でてきません。勿論、戦前辺りから、これに載ってなくて、国会の蔵目にあるケースもあるのですが、あのぶ厚い冊子は、最後の最後の砦です。
「はて、さて…」
ちょっと頭をかきます。
これまでなら、「これからでる本」の調査に移るのですが、最新の冊子から過去に遡るのは、その作業を考えると少しうんざりです。
で…、そうです。これも97年から大活躍のインターネットです。TRCの新刊書籍の検索頁です。
「あったがな…」
拍子抜け、嬉しいやら、あんまり簡単なので馬鹿らしいやら、なんとも複雑な心境です。
『光の王妃アンケセナーメン』クリスチャン・ジャック著 青山出版社
「なんやこの、アンケセナーメン、って?」
「ツタンカーメンの奥さんよ!」
「ははあ、ようしっとうな…」
次ページをクリックすると、「古代エジプト第18王朝。宗教改革を強行して人々の不信をつのらせた父王の威信を取り戻すため奮闘する第三王女アンケセナーメンだったが、やがて、夫ツタンカーメン王子と共に、壮絶な後継者争いに巻き込まれていく…」とあり、この小説の著者の紹介もありました。
ちなみに、「TRC新刊書籍検索」は、98年12月4日現在で、1980年1月以降に出版された日本の新刊書籍、累積70万5852件を検索できます。

2.『相撲の、三役揃い踏みは英語でどういいますか』

「そんなもん、言い方あるんかいなぁ?」
相撲関係の本を取り出したり、三役の意味を調べたり、てんやわんやとなりました。
で、私も、パソコンに入っているCD-ROMの広辞苑を引きました。日本語でこういう言い方が辞書にあるか、まず調べようと思ったのです。
「ま、ないわな」
ついでに研究社の新英和・和英中辞典を引きます。
「あらら…、でとるで」
『三役揃い踏み the ceremony where the three top-ranking wrestlers on each side enter the ring and stamp in unison (on the last day of a sumo tournament).』(一部略)
パソコンについてきたCD-ROM1枚には、広辞苑・附属資料・研究社新英和、和英中辞典・漢字源・現代用語の基礎知識・生活基本情報辞典・新語流行語大賞の歩み、が入っていて、書籍を選択すれば同じキーワードで引けるのです。
ちなみに、このCD-ROMは中身をハードディスクに移しましたから、高速に起動、検索が可能です。そういえば、平凡社大百科事典全35巻が1枚のCD-ROMで販売されており、ハードディスクに移せて、価格が3万8000円と聞きました。CD-ROMでの運用は本を取りに行き調べるのに比べれば遙かに早いのですが、パソコンを使い出すと人間は欲なもので、遅く感じます。けれど、CD-ROMの50倍程度の速度であるハードディスクに移せれば、これは便利です。おまけに、何か検索して画面に説明が出ると、その説明文の中の語句をドラッグして検索が可能というシステムが多くなりました。
「まあ、色んな意味で先が思いやられる話ですな」


図書紹介 - ガーデニング -

西暦2000年(平成12年)3月18日より9月17日までの184日間、「人と自然のコミュニケーション」をテーマに、兵庫県淡路島を会場として、花と緑の国際博覧会ジャパンフローラ2000が開催されます。そこで、今回は園芸・造園関係の本をいくつか紹介します。

文明が育てた植物たち 岩槻邦男著
東京大学出版会
(470.4-34)
花々の花粉の形態 野草編 清宮義博著
千代田永田書房
(471.3-61)
日本で育つ熱帯花木植裁辞典
-トロピカル・ガーデニング・マニュアル-
坂崎信之著
アボック社
(471.7-92)
しあわせをよぶ園芸社会学 ダイアン・レルフ編
マルモ出版
(620.4-3)
果実の経済分析 西東秋男著
筑波書房
(625-46)
果樹園芸の世界史
-果物の世界と野菜の世界-
小林章著 (625-47)
日本の梅・世界の梅 堀内昭作編
兵庫県御津町
(625.5-7)
日本ブドウ学 堀内昭作、松井弘之編
養賢堂
(625.6-12)
熱帯果樹と樹木作物 岸本修、石畑清武編
養賢堂
(625.8-7)
古典文学と野菜 広瀬忠彦著
東方出版
(626-80)
草土花図鑑シリーズ
-切花・鉢花・ハーブ・野菜・バラ・樹木・球根・宿根草…-
草土出版 (627-75)
花屋さんで買える花の名前ガイド 新星出版社 (627-79)
絵で見る伝統園芸植物と文化 関西テック (627-80)
中国の花譜 佐藤武敏編訳
平凡社
(627-81)
庭づくり花づくり大百科
-ガーデニングがもっと楽しくなる!-
主婦と生活社 (627-82)
野遊びガーデニング・ブック 本多由紀子著 (627-83)
江戸の変わり咲き朝顔 渡辺好孝著
平凡社
(627.4-7)
菊作り名人奥義 農山漁村文化協会 (627.5-63)
バラ図鑑300 英国王立園芸協会編著
日本ヴォーグ社
(627.7-45)
庭木図鑑450 英国王立園芸協会編著
日本ヴォーグ社
(627.7-46)
日本ツバキ・サザンカ名鑑 日本ツバキ協会編
誠文堂新光社
(627.7-47)
はじめての英国風コンテナガーデニング ステファニー・ドナルドソン著
オーム社
(627.8-50)
コンテナ・ガーデニング ジョージ・カーター文メディアファクトリー (627.8-51)
楽しいフローラル・ホビー 池田孝二著
六耀社
(627.9-10)
ランドスケープの展開 日本造園学会編
技報堂出版
(629-50)
シュツットガルトのグリーンネットワーク
-住宅の庭から都市の緑化まで-
ハンス・ルーツ著
マルモ出版
(629-51)
やさしい風景学 竹田直樹写真
マルモ出版
(629.1-16)
イギリスのガーデンデザイン35 山と渓谷社 (629.2-113)
ターシャ・デューダーのガーデン トーヴァ・マーティン著
文芸春秋
(629.2-114)
印象派の庭と花 デレック・フェル著
日本経済新聞社
(629.2-115)
見えない庭 ピーター・ウォーカー著
鹿島出版会
(629.2-116)
ビオガーデン入門 -野生を呼び戻す- 杉山恵一、牧恒雄編著
農山漁村文化協会
(629.2-117)
庭石組の基本 池田次郎著
加島書店
(629.6-22)
芝草・芝池ハンドブック 北村文雄編著
博友社
(629.7-42)



新着図書紹介・郷土資料

荒木村重研究序説
-戦国の将村重の軌跡とその時代-
瓦田昇著
海鳥社
(289.1-K54)
出石の民話・昔ばなし
-子どもたちへのメッセージ-
出石町教育委員会 (388.1-K7)
今、まだ、やっと…
-阪神大震災それぞれの4年目-
阪神大震災を記録しつづける会編
阪神大震災を記録しつづける会
(916-K16-4)
学校防災マニュアル 兵庫県教育委員会 (374.7-K5)
黒船なにするものぞ
-蘭学者・川本幸民-
柳田昭著
朝日ソノラマ
(289.1-K55)
建築医たちの神戸北野
-震災から学ぶ歴史的な建物の修復-
建築修復学会編
建築修復学会
(523.1-K7)
神戸港と神戸外人居留地 山下尚志著
近代文芸社
(216.41-K25)
神戸とシネマの一世紀 神戸100年映画祭実行委員会、神戸映画サークル協議会編
神戸新聞総合出版センター
(778.2-K3)
これが明石海峡大橋だ!
-明石海峡大橋ガイドブック-
日本工業新聞大阪本社編
日本工業新聞社
(515.5-K3)
白旗城跡 -国指定史跡赤松氏城跡- 上郡町教育委員会、白旗城跡調査委員会編
上郡町教育委員会
(709.2-K15-2)
大震災かく戦えり -災害廃棄物処理の実際- 恵比須幹夫編著
日報
(519.5-K16)
データから見た兵庫県農業の将来 近畿農政局兵庫統計情報事務所編
兵庫農林統計協会
(610.5-K1)
阪神・淡路大震災3周年記念事業総合フォーラム報告書 阪神・淡路大震災記念協会編
阪神・淡路大震災記念協会
(369.3-K170-3)
阪神・淡路大震災と歴史的建造物 加藤邦男編
思文閣出版
(521.8-K20)
阪神産業活性化戦略調査報告書 兵庫県阪神県民局編
兵庫県阪神県民局
(601.1-K6)
日高町の自然 『日高町の自然』編集委員会編
日高町
(462.1-K11)
兵庫県自動車公害防止計画 兵庫県 (519.5-K14)
不登校問題の解決や予防をめざして
-「学校へ行きたくない気持ち」を探る-
兵庫県「青少年の心の問題」ネットワーク推進会議編
兵庫県青少年本部
(371.4-K5)



新着ビデオ紹介・ビデオライブラリー

Kidnap(誘惑) (財)警察協会 VHS 30分 (15-5)
悟空の著作権入門〔1997改定〕 文化庁 VHS 22分 (34-1)
街に暮らす
知的障害者の望ましい自立を求めて
日本財団 VHS 78分 (35-6)
わたしたちのトライやるウィーク
先行実施校の記録
兵庫県教育委員会 VHS 15分 (36-71)
クルマのリサイクル
最新技術への挑戦
(社)日本自動車工業会 VHS 20分 (53-34)
生命の讃歌
山村