第52号(平成11年8月1日発行)

図書館員の仕事(トライやるウイークより)

昨年に引き続き、県内各地で「心の教育」を推進する目的で中学2年生を対象に「トライやるウィーク」が実施されました。当館でも、明石市と神戸市の5中学校から12名の生徒を受け入れました。
図書館の仕事を体験した中学生たちは、どんな感想を持ったのでしょうか。

図書館のことをたくさん知って、もっと図書館が好きになりました。

調査相談業務
  • レファレンスがとても大変なんだとわかりました。
  • 人がわからないことを調べるのは難しい。
託送業務
  • 本の箱詰めをして重たくてしんどかったけれど、自分たちがつめた本が遠方の図書館に届くと思うとうれしいです。
資料収集業務
  • 図書館では少ない人数で、たくさんの仕事をしていて、パワーがあるなと思いました。
  • 将来、がんばって司書の資格を取って図書館員になりたいです。

図書館の仕事は想像していた以上に大変だったようですが、一生懸命取り組んでいました。


新刊図書の選書・受入について

県立図書館では、昭和49年の開館以来、選書の基本ツールに国立国会図書館発行の「日本全国書誌」を利用していたため、新刊図書の利用に発売後半年以上もかかっており、来館の皆様や県内の公共図書館の方々より多くの苦情や要望が寄せられていました。
このたび、新コンピュータシステムの導入に伴い、新刊図書の選書ツールをTRCの「週刊全点案内」に変更し、また見計い図書での選書も同時に行うようにしました。見計い図書が配本されると、その週のうちに選書会議、受入、目録作業を済ませ配架されることになります。さらに、図書の発注はインターネットにより行いますので、以前のように発注票を書いて書店に渡す必要はありません。これらのことにより、新刊図書が発行されてから利用できるまでの期間が大幅に短縮されるようになりました。
スケジュールは次のようになります。


また当館では、利用者や市町立図書館から多くの購入リクエストを受け付けていますが、それらの中には発行されたばかりの新刊図書が半分以上含まれていました。当館の収集基準に合っているものも数多くあり、今後はすでに所蔵している場合も予想されますので、発行されたばかりの図書だからとあきらめないで、一度所蔵調査をしてみてください。
次に、レファレンスの充実のため、年報・年鑑類のような参考図書も数多く収集していますが、利用可能になるまで同じようにかなりの時間がかかっていました。これについても、TRCの新継続システムを採用して発売と同時に納品してもらい、出来るだけ早く利用できるように改めました。
このように、新システムが導入され、新刊図書が今までよりずっと早く利用でき、発注状況や貸出状況、予約状況も各端末から検索できるようになって図書館サービスは向上すると思われます。しかし、今までカード処理だからできた細やかな事務処理が、意外とコンピュータではできなかったりして戸惑うこともたくさんあります。利用者の皆様や市町立図書館の方々には、まだまだご迷惑をおかけすると思いますが、どうぞよろしくお願いします。


図書館等職員研修講座

県立図書館では、毎年、県内公共図書館への協力事業の一つとして、市町立図書館・公民館図書室・学校図書館等の職員に参加を呼びかけて、「図書館等職員研修講座」を開催しています。今年度は、5回の計画で、右記のとおりの内容となっています。第1回目は図書館概論をテーマに、同志社大学文学部渡辺信一教授に「図書館概論」をテーマにご講義をいただきました。経験年数が5年未満の職員対象ということで、図書館員としての基本的概念と取り組むべき姿勢について再認識し、日々の図書館業務につながるお話をしていただきました。講義の内容は以下の通りです。
司書養成教育の改定や学校図書館法改正をめぐる動きなど、図書館および図書館員をめぐる最近の情勢から、専門職としての自覚を再認識することこそが最初の一歩であり、かつ、館種をこえた連携が最重要です。また、デジタル技術の急速な変化により、記録媒体が紙から磁気体に移行しつつあり、それらを含めた図書館の未来に問題意識をもち、模索していく姿勢が必要です。
そして、それらをふまえて、図書館員として最も必要なことは、研究団体や研修会に参加し、自分自身で研鑽を重ねていくということでした。
これからの研修講座の開催日程


第3回 平成11年 8月26日(木)
「学校図書館の運営」
神戸大学発達科学部 助教授 船寄俊雄氏

第4回 平成11年11月12日(金)
「レファレンス・サービス」
兵庫県立図書館 調査専門員 大西亥一郎氏

第5回 平成11年12月 9日(木)
「図書館経営」
枚方市立松原市民図書館 副館長 西村一夫氏


兵庫県図書館協会

設立は昭和6年11月6日。戦後の再出発は神戸市立図書館の尽力により、昭和24年7月5日に第1回総会を開催。昭和51年以降は県立図書館内に事務局を置いています。 当初は学校図書館等も交えた組織でしたが、現在は公共図書館中心の協会として活動しています。加盟しているのは57団体85館。その内訳は県立1館、市立22市49館、町立21町22館、公民館図書室8、図書館準備室2、議会図書室2、その他1となっています。 「図書館事業の発展を図り、文化の向上に寄与すること(会則第3条)」を目的とし、次のような事業を行っています。
  1. 理事会及び総会、事業企画委員会:会の運営について企画・協議・決定し実行する。

  2. 図書館活動功績者表彰:永年精勤者、功労顕著な方を総会時に表彰して功績を称える。

  3. 兵庫県公共図書館調査の発行(年刊):加盟館の施設や職員、予算や利用状況等を調査し統計書として刊行。

  4. 兵庫県図書館協会会報の発行(年3回刊):加盟館の業務紹介、職員のエッセイ、図書館界の動きや事務局からのお知らせ等を収載。

  5. 県内図書館情報の発行(年2回刊):県内各地の図書館活動に関する新聞記事の索引と情報を収録。

  6. 研究集会の開催(年2回):時宜を得たテーマについて、講師を招き研究協議する。加盟館が交代で担当して開催。本年度のテーマは「廃棄図書の有効活用」と「情報発信基地としての図書館」で加古川市立図書館、三田市立図書館の担当により11月と来年2月に開催の予定。
このほか、全国の研究集会の開催にあたっては、加盟館による実行委員会で事業を実施し、また記念誌等の刊行も行っています。 県内すべての自治体に図書館が設置され、協力して図書館活動を進めたいと加盟各館とも願っており、そのための助力を惜しみません。
(兵庫県図書館協会事務局)



レファレンスあれこれ

木下助兵衛ってどんな人?と訊かれても…

レファレンスの依頼は、面談や電話だけでなく、文書で受けることもあります。その中から、簡単だと思ったものが、奥の深い調査だった例をご紹介します。
木下助兵衛尉 豊臣秀次
について、『織田信長家臣人名辞典』に記述がないか。また、ほかの辞典も調べて欲しいとのこと。
豊臣秀次に、こんなあだ名もつけられたのかと思いながら、豊臣秀次を調べる。
どうもおかしい…。“殺生関白”は出てくるが、“助兵衛”とはどこにも出てこない。木下一族には、豊臣秀次のほかにも、別の秀次がいるのかと不安になりはじめた。ご指定の『織田信長家臣人名辞典』<210.48-40> には、木下助右衛門という人がいる。この人の間違いかもしれない。
文書レファレスのため、インタビューできないのが、もどかしい。「何でご覧になったのですか?」と、一言お聞きしたい。
「高木、松平著『戦国人名辞典』は所蔵していますので、他書で。」と書かれている。それなら…と、『戦国人名事典』(阿部猛,西村圭子編 新人物往来社 1987刊) <210.47-51> を調べてみる。
ありました。「木下秀定」の説明(p.284)に、「生没年不詳(助兵衛)豊臣秀吉の臣。 ・・・・ 但馬国豊岡城主に任ぜられ、ついで播磨国木崎城主に転封・・・・」とある。
ここではじめて、木下助兵衛尉と豊臣秀次は別人、二人分の人物調査であることに気づく。
そこで、『総合地方史大年表』<210.03-14> の但馬1582(天正10)年10月(p.927)を見ると、「是年、秀吉、木下重堅を豊岡城主となす(豊岡京極殿 半知之記)」とある。
木下秀定と木下重堅、どちらが正しいの?と、今度は郷土資料室へ。
  • 『但州一覧集』(足立楽世編 嶋屋印刷所 1969刊)<K216.45-8>  p.23
    豊岡ノ城ハ ・・・・ 九年ヨリ木下勘兵衛 初ハ勘兵衛ト云フ差合有テ後ニ助兵衛ト云 ・・・・
  • 『但馬史3』(石田松蔵著 のじぎく文庫 1975刊)<K216.45-18-3>  p.169
    但馬は分割領知される。・・・・ 豊岡城主に宮部継潤、木下助兵衛家定、竹田城には ・・・・
  • 『但州一覧集』(岸田敬義著 川崎敏雄 1935刊)<K216.45-71>  p.86
    ・・・・同年ヨリ木下助兵(一名勘兵ト云フ其時伯州守護代南條勘兵ト云フ此人ト交リ切ナリ故ニ名ヲ改メシ也) ・・・・
  • 『但州発元記』(岸田敬義著 五荘村史編纂委員会 1966刊)<216.45-K10> 「豊岡代々城守之事」の項天正十壬午年ヨリ秀吉ノ代官木下助兵衛豊岡城代也
  • 『豊岡市史 上巻』<K216.45-51-1>  p.294〜296
    「木下助兵衛尉 尾張の人。秀吉直参集の一人。・・・・」と二代豊岡城主として記述がある。
見れば見るほど、資料によって、書かれていることが若干違います。諸説あるようです。
このように、「複数の資料で確認しなければならない」ことを再認識しました。史実といっても、根拠となる史料によって、諸説分かれることもあるでしょう。邪馬台国のように、史料の解釈によって説が分かれることもあります。歴史の分野では、特に気をつけないといけないでしょう。
それにしても、“すけべえ”は語感が良くありません。『暮らしのことば語源辞典』<812-42> には、現在使われている意味は、「江戸時代初期に上方で使われ始めた」とあります。木下助兵衛さんの時代には、変な名前ではなかったようです。


図書紹介 - 忠臣蔵 -

「忠臣蔵」「赤穂浪士」といえば、元禄15年(1702)12月14日に起こった旧浅野藩士47名による仇討ち事件です。
この後、浄瑠璃や歌舞伎になり人気を博し、今日まで、映画やドラマ等にとりあげられ続けています。今年も、NHKの大河ドラマ「元禄繚乱」で、一つのブームになっているようです。
今回、小説の題材にとりあげられたものを中心にご紹介します。

忠臣蔵元禄十五年の反逆 井沢元彦著
新潮社
(913.6-544)
忍法忠臣蔵 山田風太郎著
講談社
(913.6-2799)
真説忠臣蔵 森村誠一著
新潮社
(913.6-2845)
忠臣蔵 上・下 森村誠一著
朝日新聞社
(913.6-2853-1,2)
忠臣蔵の絵 もりたなるお著
講談社
(913.6-2863)
義士の群れ<忠臣蔵銘々伝巻の1> 西村望著
広済堂出版
(913.6-3555-1)
東下記 -忠臣蔵異聞- 多賀隆則著
叢文社
(913.6-3914)
大石内蔵助 -忠臣蔵本伝- 加野厚志著
KSS出版
(913.6-3915)
瑶泉院 -三百年目の忠臣蔵- 湯川裕光著
新潮社
(913.6-3916)
堀部安兵衛の忠臣蔵 立石優著
学陽書房
(913.6-3917)
忠臣蔵傑作コレクション
本伝篇、異伝篇、列伝篇上・下
吉川英治他著
河出書房新社
(913.68-24-1〜4)
物語妻たちの忠臣蔵 赤間倭子他著
新人物往来社
(913.68-81)
忠臣蔵とは何か 丸谷才一著
講談社
(914.6-294)
芝居は忠臣蔵 -丸谷才一批評集3- 丸谷才一著
文芸春秋
(914.6-1159-3)
大石良雄・笛(岩波文庫) 野上弥生子著
岩波書店
(X1-31-49-8)
元禄忠臣蔵 上・下(岩波文庫) 青山青果著
岩波書店
(X1-31-101-1,2)

○NHK大河ドラマを見ている人へ
元禄繚乱 前編 NHK出版編
日本放送出版協会
(778.8-1-1)
元禄繚乱 上・中 中島丈博著
日本放送出版協会
(913.6-3911-1,2)

○歴史をくわしく知りたい人へ
増訂赤穂義士事典 赤穂義士事典刊行会 (K210.54-63)
元禄快挙録 上・中・下(岩波文庫) 福本日南著
岩波書店
(K210.54-66-1〜3)
忠臣蔵四十七義士全名鑑 駿台曜曜社 (210.52-K1)
<考証>元禄忠臣蔵 -忠臣蔵の虚実- 稲垣史生著
PHP研究所
(210.54-K22)
赤穂義士史料 上・中・下 中央義士会編
雄山閣
(210.52-K4-1〜3)
赤穂義人纂書 1、2、補遺 鍋田晶山編
日本シェル出版
(K210.54-18-1〜3)
赤穂義士史料集 1〜3 佐々木杜太郎著
新人物往来社
(K210.54-48-1〜3)
元禄忠臣蔵 -その表と裏- 飯尾精著
大石神社社務所
(K210.54-42)
忠臣蔵 1、3〜6 赤穂市 (K210.54-72-1,3〜6)



新着図書紹介・郷土資料

市政概要 平成10年度版 明石市議会事務局 (K318.2-285)
選挙の記録 第30号 明石市選挙管理委員会 (K314.8-60)
芦屋市の環境 第28号 芦屋市生活環境部 (K519.5-261)
あまがさき市政の概要 平成9年 尼崎市総務局行政部 (K318.2-695)
尼崎市統計書 平成10年版 尼崎市総務局行政部 (K351.64-30)
尼崎市の工業 平成9年 尼崎市総務局行政部 (K505.9-25)
尼崎市の商業 平成9年 尼崎市総務局行政部 (K670.5-19)
伊丹の教育 第39号 伊丹市教育委員会 (K372.1-462)
一宮町総合計画 〔1999〕 一宮町総務課 (K318.2-496)
神戸市各会計補正予算 平成10年度 神戸市 (K349.4-35)
神戸市各会計予算 平成11年度 神戸市 (K349.4-35)
神戸市各会計予算に関する説明書 平成11年度 神戸市 (K349.4-35)
神戸市監査報告書 平成10年度 神戸市監査委員 (K349.3-34)
神戸市統計書 第75回 神戸市 (K351.64-2)
神戸の環境保全 1998 神戸市環境局 (K519.5-881)
選挙結果調 平成10年 神戸市選挙管理委員会 (K314.8-69)
高砂市の教育 平成10年度版 高砂市教育委員会 (K372.1-362)
宝塚市の商業 平成9年 宝塚市 (K670.5-18)



新着ビデオ紹介・ビデオライブラリー

きょうの健康/家庭の医学 第1〜10巻 NHK
VHS各58分
(11-69〜78)
司馬遼太郎・街道をゆく プロローグ NHK
VHS 75分
(09-19)
司馬遼太郎・街道をゆく 第1〜12巻 NHK
VHS各50分
(09-20〜31)
岩崎元郎の中高年のための登山学 第1〜4巻