開館30周年 兵庫県立図書館

話題の本 冒険者たち〜はるかなる荒野をめざして〜

「あきらめないで 行けるところまで行こうぜ!」第8回植村直己賞受賞者の安東浩正さんのメッセージです。彼は、厳冬期のシベリア14,927qを自転車で単独横断しました。一見無謀な冒険をしたと思われがちですが、周到な準備をきっちり行い、危険をできるだけ避け、非常に雄大な計画を成し遂げました。奇しくも、植村直己さんがマッキンリーで消息を絶って今年で20年になります。今回のテーマは「冒険者〜はるかなる荒野をめざして〜」と題して、冒険に関する本を取上げてみました。
2004.9.1  兵庫県立図書館 調査相談課
TEL 078-918-3377(直通)
書名 著者名 当館請求記号 出版者 刊年
書物の世界の三十三年間の冒険 デビット・カスバートソン 010.2/68 図書出版社 1991
 本書は、全14章からなるデヴィット・カスバートソン著作本の全訳です。第1章では図書館の歴史について述べてあるものの、全体としては、33年間にわたる作者の図書館員としての個人的経験を語ったものです。専門用語が頻出することなく、学術書とは違った平易な言葉、やさしいエッセイ調の語り口の文章となっています。図書館に興味のある方には、ぜひとも読んでいただきたい1冊です。
本多勝一集 28 081.6/127/28 朝日新聞社 1999
 本書に収載されている「アムンセンとスコット」は、互いに南極点初到達を競い、勝者は最高の栄誉を、敗者は全員遭難死した壮絶な戦いの物語です。
極地に燃ゆ 相沢裕文 ほか  289.1/1909 毎日新聞社 1979
 北極点、グリーンランド縦断単独行直後という植村直己の絶頂期に、エベレスト遠征隊や北極圏12,000q、北極点単独行に取材陣として同行した記者達が綴った植村直己の冒険記です。公子夫人へのインタビューは他の本ではあまり見られないので必読です。
みかん畑に帰りたかった 埜口保男 289.1/3963 小学館 2003
 北極点への到達を成し遂げた後、消息を絶ち、帰らぬ人となった河野兵一氏。何故、家族のもとへ帰ることができなかったのか・・・。親友であり数々の冒険をともにした著者だからこそ描ける彼の勇姿、そして、熱い思いが波のように胸に伝わってきます。
大航海者コロンブス サミュエル・モリスン 289.3/611 原書房 1992
 500年以上前に西回り航路によって東洋の国へ到達することを志し、結果的に「新世界発見」の大事業を成し遂げたコロンブス。本書は100点を超える豊富な図版や年表とともに、その波瀾に満ちた生涯を生き生きと再現しています。
万里長城 上・下 内海寛子 292.2/99 草の根出版会 2001
 玉門関から山海関までの全行程6,000kmを、十年かけて調査した学術踏査隊があります。中国で子ども時代を過ごした著者は、かの地に対する思いからその過酷な調査に参加しました。調査隊が目にした長城の現状は、砂に埋もれ、道として使われ、建築材料に化け・・・という有様。「よく調査に来てくれた」という現地の人の言葉が救いでした。
高く遠い夢 三浦雄一郎 292.58/82 双葉社 2003
 65歳でエベレスト登頂を決意し、独自のトレーニングを積んで2003年5月22日、息子豪太とともに、世界最高齢70歳で、世界の頂点エベレストを制覇したスキーヤー三浦雄一郎の挑戦記です。読む人に勇気と感動を与えてくれる本です。
笑ってよ、北極点 和泉雅子 297.8/10 文芸春秋 1989
「女優が北極点をめざす?」本書は女優の和泉雅子さんが北極点をめざし、到達するまでの記録です。病気になったり、隊員同士の対立があったり等、苦しくて大変な道のりだったのに、到達したら次の北極行きのことを考えている。何かに夢中になるってすごいな!そう思える1冊です。
人類の挑戦 C.D.B.ブライアン 298/13 教育社 1988
「The National Geografic Society」に紹介された探検や冒険の中から、古代の遺跡にはじまり未知の世界まで、大自然の驚異や神秘的な世界を美しいカラー写真と記録で伝えているのが本書です。
関所抜け江戸の女たちの冒険 金森敦子 384.3/227 晶文社 2001
 女がつけた旅の小遣い帳「参宮道中諸用記」をもとに、近世の女たちが関所抜けをしていた実態を紹介したものです。江戸の庶民はドキドキしながらも地元の人に手引きされ、関所を抜けていたようです。
河合雅雄著作集 11 480.5/5/11 小学館 1998
 本書に収載されている「ゲラダヒヒの紋章」は、草山万兎(くさやま・まと)のペンネームで書かれた自然人類学者河合雅雄博士の童話です。エチオピアの奥地に眠る謎の女王国アクスム。その謎の歴史を解こうとアフリカに乗り込んだ日本探検隊の前に、女王国の秘宝を狙う悪党団がたちはだかった。少年隊員の活躍で秘宝は無事だったが・・・。エチオピアの高地を舞台に繰りひろげられた冒険ファンタジーに、レリック(残存種)の哲学がこめられ物語をより美しく染め上げています。
写真記録われら月面に立つ 講談社 538.9/18 講談社 1969
 アポロ11号のアームストロング船長が月面への第一歩を印したのが、1969年7月。月面に立つまでの米ソの宇宙開発の歴史についてもふれられています。写真でみると、ひときわ月面に立つ感動が味わえます。人類が宇宙へと旅立った最初の貴重な写真記録です。
スパイス戦争 ジャイルズ・ミルトン 678.2/131 朝日新聞社 2000
“人々は冒険を求めた。しかし、それは純粋な冒険ではない。”当時黄金より貴重であったスパイス・ナツメグの支配を求めての冒険であり、支配権をめぐって死闘を繰り広げたといっても過言ではありません。史料から英蘭両国のその渦中にいた人々の勇気と知略、残虐さと陰謀が映し出され、アジアの片隅の小さな島々が歴史の流れを変えていく様子がまざまざと描かれています。
動物絵本をめぐる冒険 矢野智司 726.6/18 勁草書房 2002
 私たちはなぜ動物絵本を読むのだろうか?本書は、擬人法を手がかりに、動物と人間の根源的関係を探ろうというものです。本書では、動物絵本について考えることで、動物との出会いを必要とする人間とは何かを問うています。なぜ、幼児のいる家庭に動物の絵本があるのか。なぜ、子どもたちは、動物に関心をもつのかということが、本書を読めば理解できるかもしれません。
新田次郎全集 第6巻   918.68/336/6 新潮社 1979
「雪がちらついているのに意外なほど遠くがよく見えた。厚い雪雲の下面と神戸市の間の空気層の間隙の先に淡路島が見えた。」これは本書に収載されている浜坂町出身の登山家、加藤文太郎さんをモデルにした小説「孤高の人」の冒頭です。孤独とはいかに強く、そして脆いものか。次々と達成する単独行という偉業を追いながら彼の心に落とす影が見事に描かれています。
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