兵庫県立図書館

話題の本

あなたに、一冊の本を・・・
戦後まもない昭和22年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っている中「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」と第1回「読書週間」が開催されました。翌年の第2回からは10月27日から11月9日と定め、全国に広がっていきました。今回のテーマはこの読書週間にちなみ「あなたに、1冊の本を・・・」です。1冊の本がみなさんの友人になれますように・・・、そして、1冊の本を通じて新しい自分に出会えますように・・・。
2004年11月1日
兵庫県立図書館 調査相談課
TEL 078-918-3377(直通)
書名 著者名 当館請求記号 出版者 刊年
世界を変えた100冊の本 マーティン・セイモア=スミス 019.9-44 共同通信社 2003
孔子からアインシュタインまで、人類の歴史に大きな影響をもたらした世界の名著100冊を、哲学者ではない著者が縦横無尽に論じたガイドブックです。普通では読みきれない名著の中身を、その著者についての情報も含め、端的に紹介しています。
父親の発達心理学 柏木惠子編 143.6-5 川島書店 1993
いま、日本の家庭における父親の役割について、考えさせられる問題が多々出てきています。本書は、10年前の出版になりますが、心理学的見地から論じた図書で、父親の役割を再認識して子どもの発達への影響について記述されています。子育て中の人、これから子育てをする人、子育てを支援する人、多角的立場から読める1冊です。
クルディスタンを訪ねて 松浦範子 316.8-543 新泉社 2003
「世界最大の国なき民」といわれるクルド民族の地「クルディスタン」を訪ね続ける写真家が綴ったルポルタージュです。トルコに生きるクルドの生活風景やクルディスタンの壮大な自然から、人々のこころのひだまで著者の目線が入り込んで行きます。
東海道 林 忠彦 748-226 集英社 1990
この写真集はまさに”畢生の作品”です。撮影に乗り出した時、著者は病魔に襲われていました。病気はガンと脳出血です。医者や家族、親しい友人は、治療を薦めました。が、彼は死を恐れるより、仕事を残すことを恐れました。針の穴から江戸の面影(東海道)を現代に残そうとしました。まさに、片道切符の終わりのない旅でした。
星野道夫の仕事1 星野道夫 748-467-1 朝日新聞社 1998
「風とカリブーの行方は誰も知らない。」という極北インディアンの古い言葉があります。大地を埋め尽くすような大群が旅をしているのに、21世紀を迎えた今も、それを見るものはほとんどいない。この作品は数十万頭というカリブーの大群のなかで、撮影がされています。著者が、いかにカリブーを、そして、アラスカの自然を愛しているのかが、伝わってくる1冊です。
プロ野球記録の手帖 千葉 功 783.7-281 ベースボール・マガジン社 2001
神戸から巣立ったイチロー選手が今年大リーグの最多安打記録を塗り替えました。日本のプロ野球にも様々な記録があります。プロ野球界18年(1982〜2000年)の流れを、記録という観点から振り返ることができる1冊です。目次には、懐かしい選手、球団の名前が並んでいます。
「話す日本語」面白ゼミナール 鈴木健二 809.2-7 海流社 2004
大ベストセラー『気くばりのすすめ』を書かれた元NHKアナウンサーの著者が、話し方のエキスパートとして現代の言葉遣いの悪習を正し、豊富な実例とユーモアたっぷりの文章で、わかり易く「話す日本語」を紹介しています。
箸とチョッカラク 井出里咲子ほか 829.1-105 大修館書店 2004
日本は、今まさに韓国ブーム。「冬のソナタ」でおなじみのぺ・ヨンジュンと同じ言葉をしゃべりたいという熱き思いを抱いて韓国語を学ぶ人も増えていると聞きます。その国の言葉を学ぶことは、文化を知ることでもあります。本書は、著者が、『月刊言語』に連載した「似ていて違う?−言葉と文化の日韓比較」を元に書かれたものです。音韻や文法体系を考察するという内的言語学の視点を離れ、コミュニケーションを行う上で、誤解を引き起こす要因は何かという言語外の要素に着目しています。グローバル社会で、互いに相手を理解しあうとはどういうことかを気づかせてくれる1冊です。
世界ミステリー全集5 レイモンド・チャンドラー 908-7-5 早川書房 1972
「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない。」というマーロウの台詞はハードボイルドの金字塔としてご存知の方も多いと思います。本書は、ハードボイルドの巨匠チャンドラー珠宝の名作『さらば愛しき女よ』『長いお別れ』『プレイバック』三作を収載しています。
小石川の家 青木 玉   910.28-1471 講談社 1994
本書は幸田露伴を祖父に幸田文を母に持つ著者が幼い日々の思い出を綴ったものです。気難しい祖父と厳しい母との生活は叱られることも多く大変だったようですが、明るく読み易い文章がそれを感じさせません。今はもうない昔の日本の家族が、どこか懐かしく温かい気持ちにさせてくれます。  
村上春樹全作品1 村上春樹 918.68-287-1 講談社 1990
20代の頃、夏が来ると必ず読んでいた本があります。ある時は波音を聞きながら防潮堤で、またある時は蝉時雨の東屋で、…。『風の歌を聴け』は僕にとっては、ある種、人生の羅針盤でした。方向を指すのはあくまでも、自分ですが、…。本書収載の『1973年のピンボール』も併せてお薦めします。
中島敦全集1 中島 敦 918.68-478-1 筑摩書房 2001
『悟浄歎異』は『西遊記』の沙悟浄から見た三蔵法師、孫悟空、猪八戒について書かれています。それぞれの個性がしっかりと描かれていて興味深く、この人物像をもとに、もう一度『西遊記』を読んでみたくなります。また、語り手の沙悟浄について知りたい方は、悟空が一行に出会うまでの話が書かれている本書収載の『悟浄出世』も併せて読んでみてはいかがでしょうか。
ヘミングウェイ全集3  A.ヘミングウェイ 938-8-3 三笠書房 1970
『日はまた昇る』はA.ヘミングウェイ26歳の作です。男たらしのブレッド・アシュレーが闘牛士(ヘミングウェイにとって闘牛士は最も神聖なもの)のロメロを誘惑しようとするが、最後の最後に誘惑することができない。“人間は神を冒とくすることができない。”というかなり意味深なテーマを、簡潔な文体で小気味よく書かれています。本書は他に『春の奔流』を収載しています。併せて読まれることをお薦めします。
チェーホフ戯曲集 アントン・チェーホフ 982-9 水声社 2004
太宰治の『斜陽』の下敷きになったことでも有名な、没落貴族の美しさを描いた『桜の園』。本書は他に『三人姉妹』『かもめ』なども収載されています。チェーホフの戯曲を思う存分堪能してください。