兵庫県図書館協会報 No.70 (2002.8.1)
目次
光あふれるパークライブラリーの誕生−市民に親しまれる「としょかん」をめざして−                       赤穂市立図書館 館長代理 新家義行
 水とみどりにつつまれ、瀬戸内の陽光に恵まれた「忠臣蔵のふるさと」赤穂に市民待望の新しい図書館が、本年3月3日にオープンして半年が経過した。
 新図書館は、市制施行50周年記念事業の一環として、情報化、バリアフリーなどへの配慮がなされ移転新築しました。播州赤穂駅から徒歩で約8分の市街地にあり、公共施設、商業施設が集中する人々の交流の多い立地となっています。
 建物は、地上2階建で延床面積3,316u。『光あふれるパークライブラリー』をコンセプトに自然光と吹き抜けによる明るく広い空間が、公園にいるような、ゆったりとくつろぎのある雰囲気を演出する。
 まず、一階エントランスを入ると、正面に一般閲覧室があり、それを中心にして、各コーナーが配置されています。東側のブラウジングコーナーでは、新聞・雑誌を約300誌、たたみベンチを用意し高齢者の方など広く市民の方々に利用されています。西側の芸術・AVコーナーでは、芸術図書のほかビデオ・CD・DVDが視聴できるブースを10台設置。その北側には郷土資料・参考図書などを備えた地域資料コーナー、南側には児童閲覧室がある。また、屋外に読書テラスを3カ所設け、気候の良いときは親子で紙芝居・絵本を広げて楽しんでいる姿など微笑ましい光景がよくみられます。
 現在、蔵書は一般図書、視聴覚資料など約9万8千点を所蔵。収蔵規模は28万冊です。
 その他館内には、準開架室、おはなしの部屋、授乳室、幼児用トイレ、対面朗読室、視聴覚室、創作室、集会室、和室、ぎゃらりーが設置されています。
 また、新たにコンピュータシステムを導入しました。貸出・返却・予約処理のほか利用者検索、各コーナーにインターネット検索端末を設置するとともに、市内9公民館とのネットワーク連携により、検索・予約及び配送による貸出しができるようになりました。
 新図書館の基本計画を策定された図書館計画施設研究所の菅原峻氏は、『もう図書の館(やかた)だけの時代ではない』といい、『市民の誰もに「わたしの坐るところがある」といって親しまれる「としょかん」を目指してください』と。
 新図書館のスタートにあたっては、読み聞かせ、図書整理、点字など面で図書館ボランティアにご協力いただいており、市民参加による図書館運営が行われています。まだ、緒についたばかりですが、これを機に、次代を担う子どもたちの成長の場、地域の文化創造の拠点、生涯学習支援施設として重要な役割をもつ図書館が「としょかん」として成熟していくよう市民とともに育っていきたいと考えております。
目・耳・心・手  「“癒しの空間”で働ける喜び 」    洲本市立図書館 辻 公子
 私事で恐縮ですが、前年度は育児休暇で1年間お休みをいただきました。ありがたいことに今年の4月からもとの職場に復帰できることになり、図書館で働ける喜び(仕事で締め切りに追われているときは苦しみ(笑い))をひしひしと感じています。
育児休暇中に気付いたのは、私にとって図書館で仕事をすること自体が「自分にとっての癒し」になっていたんだな、ということです。仕事がどんなに忙しくても、やはり自分が好きなもの―本、人、図書館―に囲まれて働ける幸せを思うと、ちょっとぐらい大変でもガンバロウ!!とファイトがみなぎります。
 一児の母となり、少しは子どもの接しかたのコツがつかめたかな、と自分ながら思うのですが、子どもの考えや行動というものは、時にこちらの予測の及ばない方向に飛んでいくことがしばしば。十人十色で、どの子にもその子なりの個性があります。図書館では、本との出会いを通して、子どもの個性や感性を伸ばしていけるお手伝いができたらいいな・・・と常々思いながら日々の業務に励んでいます。微力ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
目・耳・心・手 「よみきかせを楽しむ」        三田市立図書館 佐藤まゆみ
 様々な業務を兼務しながらも、児童を担当し続けて6年と少し。昨年からは集会活動も担当し、子どもの読書推進法という追い風をうけて、ここぞとばかりに児童がらみの講座を計画しまくっています。
 最近の児童室はとてもにぎやか。そこここでよみきかせをしてもらっている子どもたちの笑顔が満開です。お父さんが慣れた調子で読んでいる光景も、もう珍しいものではありません。でもたまに、すごく肩に力の入った方もあります。よみきかせへの関心が年々高まるなか、それをいかに「楽しむ」かを上手に伝えなければいけないなぁと実感しているこの頃です。
 当館でのよみきかせはほぼ毎日。かなり力が入っています。そして、ほとんどの職員が意欲的に取り組んでいます。職員の交代制にすることには賛否両論ありますが、定期的な研修と何よりみんなのやる気によって支えられています。おもしろい本は教えあいます。最近のブームに『ぎょうざのひ』(かとうまふみ)があり、誰が読んでもうけない日はないという人気ぶり。興奮しすぎるというのが難点で、飛びかかられた職員がいるとかいないとか…。ぜひお試しください。
目・耳・心・手「カウンターが元気の素」          滝野町図書館 森岡浩子
 図書館に勤めて6年目になります。開館当時は本も少なくガラガラだった書架も、今ではいっぱいになりました。オープンの年から毎日のように来てくれた小学三年生の子たちも今は高校一年生。今も勉強や部活動の合間に来てくれますが、最近の私はもっぱら進路や恋の 相談役。月日のたつのは早いものだとあらためて実感します。日々の業務に追われ、慌ただしく過ぎていく毎日ですが、たくさんの利用者と接することで、いろいろなことを経験することができました。
 カウンター業務は、毎日が新しい発見と驚きの連続です。自分の無知と勉強不足を痛感しながらも、その度に利用者に教えられ、また励まされて来たように思います。
 「ここへ来たら私、元気になって帰るんよ」「ありがとう。自分で探すよりやっぱり聞いた方が早いなぁ」
 利用者の方たちの笑顔とあたたかい励ましの言葉は、私たち図書館員の一番のエネルギー源です。図書館を訪れた人が気持ちよく利用でき、また来たいと思ってもらえるように、これからも頑張っていきたいと思っています。
目・耳・心・手「レファレンスの難しさ」          加西市立図書館 宮長寿枝
 わたしがこちらの加西市立図書館でお世話になってから、早いもので今年で3年目になります。大学で司書の勉強をしていたとはいえ、教室での授業と実際の仕事では全く違っていますし、こちらでお世話になるまでは全く畑違いの仕事をしていましたので、他の職員の方にご迷惑をお掛けしながら、少しずつ図書館業務を覚えさせていただいていっている状態です。
 仕事は主にカウンター業務を担当させていただいています。毎日、さまざまな方が来館され、レファレンスはもちろん、接客の面でも考えさせられる場面が多くあります。特にレファレンスについては、自分の経験不足・勉強不足から、本当に利用者の方が求めていらっしゃる資料を提供できているのか、不安になることもしばしばです。そのため、利用者の方の要望に応えられるよう、日常生活でもアンテナを張りめぐらせて新しい情報を得るように心がけています。
 利用者の方々に、“あの図書館に行けば、知りたいことが分かる”と頼りにしていただけるように、これからも努力していきたいと思っています。
「絵本ワールド in ひょうご」開催
趣  旨:子どもの読書活動の振興に取り組む関係者(県・市町、県・市町教委、
      図書館、出版・教育等各種団体、マスコミなど)が集い、実行委員会を設
      け、その企画運営のもとに、子ども自身を含めた一般市民が本に親し
      み、楽しさを直接体験するイベントを開催する。
開催日時:2002年10月5日(土)〜10月6日(日)10:00〜17:00
開催場所:神戸国際会議場(神戸市中央区港島中町6-9-1)
主な内容:講演会……………………子どもの本の世界や読書環境、絵本の力等
                       についての有識者講演会
       ワークショプ……………おはなし、読み聞かせ、人形劇 等
       展示………………………布絵本、絵本原画などの展示 等
       子どもの本展示即売会…約15,000冊を集め展示即売会
県内ブックスタート状況
 「ブックスタート」ということばも定着しつつありますが、県内でも何館かの実施の声を聞いています。今回、事務局で把握している範囲での状況を表にしました。内容に関しては、短くまとめたため担当者の方の思いが伝わらなかったかもしれません。実施しているのに載っていない館、計画中の館等、調査をして随時状況報告します。実施の情報もぜひお寄せください。
図書館名 開始年月 事 業 名 内        容
相生市立図書館 13.5.7 抱っこして、読んで〜ブックスタート〜 乳児検診時に、図書館職員とボランティアが説明を添えて、絵本・リスト等の入ったスタートパックを渡す
神戸市立北図書館 14.1.18 すくすく赤ちゃんセミナー 乳児を持つ母親対象のセミナーで、司書が読みきかせ、絵本の紹介を実施
神戸市立図書館 14.6.1 ブックスタート事業 乳児検診時に、各保健所で神戸市立図書館が作成したブックリストを渡す
豊岡市立図書館 14.4.1 絵本との出会い・読み聞かせ推進事業 乳児検診時に司書及びボランティアが読み聞かせ、絵本の紹介をし、絵本、リスト、図書館の利用案内の入ったスタートパックを渡す
龍野市立図書館 14.4.6 えほんのじかん 0〜3歳時と保護者を対象に、毎週土曜日に30分間、司書がわらべうたを交えながら絵本の読み聞かせをする
播磨町立図書館 14.4.1 図書館ブックスタート事業 乳児検診時、図書館職員が絵本やリスト、図書館の利用案内等の入ったブックスタートパックを説明を添えて渡す
東浦町立図書館 14.4.1
実施は9月
0歳から絵本の世界へ 乳児検診時に、図書館職員と子育て学習センター職員が、絵本やリスト、子育て関連行政サービスリスト等の入ったバックを渡す
氷上町立図書館 14.7.3 絵本のすすめ 3歳児検診時に、司書及びボランティアが、読みきかせの説明・実演をしブックリストを渡す
 7月21日現在お聞きしている、図書館が関わるブックスタートの状況です。その他にも計画中の館、また、以前からブックスタートと関係なく同様の行事を行っている館もあります。
協会からお知らせ
全公図・兵図協からの表彰
○平成14年度全国公共図書館協議会表彰 (敬称略)
谷川雅子 福岡映子 西澤進治 福島恵子 伊藤典子 田坂かほる(以上神戸) 中澤俊子 前垣孝代(以上姫路) 
豊崎朱美(県立)
○平成14年度兵庫県図書館協会表彰 (敬称略)
功労顕著
 橋本しげみ(豊岡) 榎倉執子(猪名川町)
永年精勤
 祖田律男 長島史佳 中西厚子 大黒紀子 松永憲明 幣 正夫 中西 正 長谷川雅彦 阪本和子 宮崎恒子 大黒高志 山本昭和 澄川久美 小倉さつき 長谷川文子 乾 和人 (以上神戸) 島田昌美(尼崎) 布川中子 河邊啓子 岩井順子 小西博子 新屋浩之 鎌井朱美(以上西宮) 柳原昭文 高橋 薫 平井めぐみ 田野理恵子 (以上宝塚) 阿部隆行 卞 隆司(以上明石)  荒木宏明 成川直子 松岡由美 小浦愼治 (以上加古川) 藤原 卓 (西脇) 片山京子(三木) 坂根みゆき 高濱由香 萩原 浩 富田明子 (以上姫路) 小田茂代(福崎町) 巖みゆき(相生) 木藤友江(山崎町) 奥 久美(日高町) 北道啓子 尾崎 肇 三島伊都子(以上県立) 
平成14・5年度の役員紹介
会長   @田弘逸(県立)
副会長 板東和司(県立)  伊川一男(神戸)  前田文也(芦屋)   宮下 博(姫路)
理事   @田弘逸(県立)  伊川一男(神戸)  前田文也(芦屋)   大島秀一(西宮)   堀田忠良(加古川)  石井靖彦(明石)   宮下 博(姫路)  杉岡和弘(香寺)  田邊忠司(浜坂町)   管 芳子(洲本)  勝川浩幸(氷上町)  足立忠尚(県議会)
監事   辰己正美(尼崎)   橋本 保(稲美町)
新設館の紹介
○五色町立図書館
平成14年7月12日開館    館長 豊田千代子
〒656-1325 津名郡五色町鮎原南谷59  TEL 0799-32-1693  FAX 0799-32-0647
平成14年度大会等の開催予定
○IFLA第68回グラスゴー大会
 8月18〜24日  スコットランド国、グラスゴー
○全国図書館大会(第88回)    10月23〜25日
「進化する図書館、未来を拓く群馬から−ひとりひ
とりの豊かな生のために−」    群馬県前橋市
○全国公共図書館研究集会
・整理部門      9月19・20日 秋田県秋田市
「地域資料の収集・保存・活用−日常生活に役立つ
資料の充実を目指して−」
・奉仕部門   10月17・18日 埼玉県さいたま市   
「図書館サービスの新たな拡がりを求めて」    
・ 参考事務分科会   10月10・11日 三重県津市
「変革期におけるレファレンスサービス」           
・ 児童図書館分科会 11月14・15日 熊本県熊本市
「読書で拓こう子どもの未来」
○近畿公共図書館協議会研究集会  15年1月16日
「社会の変化に対応する図書館サービス」
                和歌山県和歌山市
○文科省・図書館地区別研修
担当:大阪府立中央図書館  15年2月4日〜7日
「兵庫県読書推進運動協議会」設立
 県内の読書活動の推進を図り、さらに県民文化の推進に寄与することを目的として、兵庫県読書推進運動協議会が設立されました。兵庫県図書館協会が構成メンバーとなり、同協会の役員が協議会の役員を兼ねます。事務局は県立図書館内の兵庫県図書館協会事務局が兼ねます。
 読書活動の推進のみでなく、文庫活動を行う方々のバックアップや、協議会からの交付金による研修行事
への補助などの事業を行っていきます。皆様のご協力をお願いします。