兵庫県図書館協会報 No.71 (2002.11.1)
目次
はじめまして『えるる五色』です。   五色町立図書館長  豊田 千代子
 淡路島の西海岸沿いに、淡路で8番目の図書館として、去る7月12日に開館しました。
愛称とキャラクターを住民より募集し、愛称は、『えるる五色』といいます。これは、Long Loveの頭文字L(エル)とL(エル)から造られ、いつまでも愛される図書館を表しています。また、キャラクターも近くにある天満宮の紋所のうめを図柄に取り入れるとともに、子供に親しみやすいウサギの絵としました。
 さて、外観は地元特産の五色石の丸みをあらわした楕円形をし、いぶし瓦の屋根が周囲の田園風景にも違和感なく溶け込んでいます。
 内部は、6本の木を想わせる柱に支えられた木組みの天井、木製の床、家具と木の香りが豊かに感じられるゆったりとした暖かい空間となっています。
 図書館入口には、展示コーナーがあり、町内の子供の絵などを中心に展示し活用しています。
 また、図書館の一番奥には、壁面に展示ケースを設置し、五色町出身の作詞家・阿久悠氏、MK磁石の発明者・三島徳七、良績親子、高田屋嘉兵衛翁のコーナーを設け、関係の資料を展示しています。特に、阿久悠コーナーは、歌手の八代亜紀さんの描いた肖像画、小説『ラヂオ』の直筆原稿、著作、CD等の寄贈を受け充実したものとなっています。
 これらの他には、お話の部屋、会議室、ヤングアダルトコーナー、郷土資料コーナー、ブラウジングコーナー、AVコーナー等がありますが、いろいろの形のテーブルと椅子、ソファーにベンチなどがあちこちに配置され、ゆっくりくつろいでもらえるようになっています。
 蔵書については、収蔵能力が開架5万冊、書庫5万冊ありますが、開館時は、開架約3万冊、書庫1万冊、雑誌100誌、新聞10誌とまだまだ十分とはいえませんので、住民の要望に応じた新鮮な資料を揃えていくつもりです。
 視聴覚資料についてはVT約400本、DVD約100枚、CD約550枚を入れました。また、CD-ROMチェンジャーを導入し3台のインターネット検索端末でCD-ROM資料約40タイトルの利用ができます。
 以上、建物・資料についてはなんとか整えることができましたが、人口約11,500人、面積約58kuと人口密度の低い地域で、交通手段が自動車に頼るしかないので、子供たちにとって図書館を利用するということが大変です。その対策として、小・中学校と密接に連絡を取り合って、本を提供する環境を整えていくために、学校図書館の図書のデータを町立図書館データに入れ、インターネットでお互いの所蔵を知り、活用していけるよう取り組んでいます。
この他にも、図書館から遠い地域への対応や高齢者への対応等の課題がありますが、あせらず一歩づつ着実に、住民の目線でいつまでも愛され、生活の中にある図書館づくりを目指していきたいと思っています。

開館時間 10:00〜18:00 金曜のみ19:00まで
休館日  月曜日、毎月末日、祝日
延床面積 1,426u(図書館部分+共有部分)
所在地  〒656-1325津名郡五色町鮎原南谷59
連絡先  TEL0799-32-1693 FAX 0799-32-0647

目 ・ 耳 ・ 心 ・ 手
「みんなの図書館」をめざして」   相生市立図書館 石野 まきほ
 「すみません、図書館で本を借りるのには、いくらかかりますか。」これは、カウンターでよく聞かれる質問の一つだ。最初は今時こんな質問なんて、と思っていたのだが、下は小学生ぐらいから上は70代ぐらいまで、と結構まんべんなく質問がある。考えてみると、こういう質問をする方はまだ良いほうで、もしかしたら最初からお金がかかると思い込んで図書館を利用してない人がほかにもいるのではないかと思ったりもする。せっかくの図書館をそういう理由で利用しないのはもったいないので、何か良いPRの方法でもあれば、と思っている。また逆に、新しく引越しして来たばかりの人が、転入の手続きをする間も惜しいという風に、図書館へ登録手続きにやって来る。そういう方を見ていると、前に住んでいた所の図書館を、十分に活用されていたんだなあと思う。どこかは知らないその図書館で、本を読む楽しみ、借りる楽しみを覚え、また別の所でその楽しみを続けていくことができる…こんなにすばらしいことを、もっと多くの人に味わってもらいたいと思いつつカウンターに立つ毎日である。
「3ない図書館…?」   篠山市立本郷図書館 小倉 祐子
 広い篠山市に1館しかない図書館で働くようになって約1年半が過ぎました。当初はなんとも思わなかったのですが、「3ない図書館(明るくない・本が少ない・広くない)」と言われたとおり、なるほどしばらく働いているととても暗い。こんなところで本を読んでいては目が悪くなるような暗さなのです。というのも今はまだヤドカリの状態で、引っ越しを数回繰り返してきた結果なのですが、定住先がやっと決まり、念願かなって2003年4月に中央図書館と市民センターの図書コーナーが同時開館するのです。大きな窓をもっていて明るさもバッチリ! また、アナログゆえに利用者の方々にかけてきた不便さを思うと、新図書館のサービスにはこちらも気合いが入ります。
 たかが本、されど本。本が生活の一部となっている利用者がたくさんいることを実感しつつ、明るく開放的な図書館のイメージをつくっていきたいと思っています。まずは、市民のみなさんに図書館のある場所を知ってもらい、図書館を利用したことのない人も一度は足を踏み入れてもらうことが目標です。
「心のゆとりに図書館を」   西宮市立北口図書館 平岡 桃子
 図書館に異動になり、早いもので2年が過ぎようとしています。北口図書館は、ターミナルに近接するビル内にあり、昨年オープンしたばかりの新しい図書館です。予約した本を取りに来られる高齢の方、調べ物に没頭する学生、絵本を熱心に選ぶお母さん等、様々な年代の方が来館される楽しい図書館です。私は視聴覚サービス等の担当で、開館準備時はサービス内容の枠組を作っていく作業に携わり、とても貴重な経験をすることができました。カウンター業務では、利用者によって様々なサービス内容を希望されるため、個々の対応の難しさを痛感する時もありますが、周囲の方々の支えで何とか仕事を進めています。
 最近、利用者から「DVDを視聴していると、好きな時にどこの国でも自由に行くことができる。」というお言葉をいただきました。自分の知らない世界を、自由に選んで手に取ることができる素晴らしさがよくわかる一言であり、この言葉は私自身が図書館を好きな理由の一つになっています。これからも、より多くの市民の方々に、「図書館」を通じ、心のゆとりを感じていただける様な仕事をしたいと考えています。
「緊張感をもちつつ…」   揖保川町立図書館 河部 恭子
 私達の町の図書館が平成13年5月にオープンし、あっという間に1年4ヶ月が過ぎました。休日には広々とした明るい空間が自慢の館内は、親子連れなど思い思いの過ごし方をされる利用者でにぎわいます。
 3万冊で開館し、7万冊収容可能な書架はまだまだ余裕のある状態です。徐々にではありますが、利用者の要望に応えられるよう一生懸命収書に努めています。
 この夏休みには、子ども達が思いつく質問の多様な発想に驚きつつ、四苦八苦しながら本を手渡す日々を過ごしました。
 活字離れが心配されていますが、少しでも本の世界の持つすばらしさが伝わればと願います。
 開館時にはベビーカーに乗ったままだった赤ちゃんが、今でははや自分自身で絵本を手に取っています。成長著しい子どもたちに負けないよう私も図書館員として開館時の緊張感を忘れず、本への理解をより一層深めたいと思います。また、一人でも多くの住民の方と心のつながりを大切にし、役立つ図書館、その人にとって存在感のある図書館になるよう、その中の一員として取り組んでいきたいと思います。
さあ、国立国会図書館関西館を使ってみよう!
 図書館資料の収蔵スペースを長期的に確保し、21世紀の高度情報化社会に対応した図書館サービスを提供することを目的として設置された国立国会図書館関西館が、平成14年10月7日にオープンしました。地上4階、地下4階の建物は、およそ60,000uの延床面積があり、閲覧室や書庫など約8割は地下に収められています。地下2階から地下4階の書庫には約600万冊分の収蔵スペースがあります。
 地下1階の閲覧室は約4,500uの広さをもち、総合閲覧室とアジア情報室で構成されています。総合閲覧室には国内外の参考図書等約5万冊など、アジア情報室にはアジア言語資料を含む国内外のアジア関係の参考図書・基本図書約3万冊、雑誌、新聞などが開架されています。他にも洋雑誌、科学技術資料、国内の博士論文など専門性の高い資料への要求に応える一方、国内刊行図書・雑誌の収集を進め、関西館の役割に即した蔵書構築に努めています。
 関西館の館内サービスを受けるには、入館された際にカード発行機に必要事項を入力して館内利用カード(退館の際に回収されます)を作成します。この館内利用カードで、閲覧ゲートの通過、資料の請求、複写の管理を行います。事前登録した閲覧者には書庫内資料の閲覧予約サービスを実施するとともに、東京本館および国際子ども図書館で所蔵している資料(一部)については取り寄せるサービスも行われます。閲覧室には約350の閲覧席の大半に端末が配置され、利用者は閲覧席の端末から直接書庫資料の申込み等ができます。関西館では東京本館と同様に、利用資格は18歳以上となっており、個人を対象とした館外への貸出は行っていませんが、著作権法の範囲内で複写を行うことができます。
 遠隔利用サービスとしては、インターネット経由の情報発信を強化し、電子図書館機能を駆使したサービスを実施します。国立国会図書館ホームページ(http://www.ndl.go.jp/)を通して、新しいOPAC「国立国会図書館蔵書検索・申込システム」(略称NDL-OPAC)の提供を開始します。これによって、和図書や洋図書、新聞・雑誌、博士論文等の検索が可能となります。また、雑誌記事索引の提供を開始し、順次提供範囲を拡大します。NDL-OPACは、検索結果から直接複写申込みをする機能を備えています。10月から登録した図書館からの貸出と複写の申込みを受け付け、個人の利用者については、10月に利用者登録の受付を開始し、来年1月から登録した方を対象にインターネット経由の複写申込みを実地する予定です。18歳以上の方ならどなたでも登録していただけます。このほか、ホームページ上で、明治期刊行図書3万冊が読めるなど、多彩なコンテンツを提供します。居ながらにして情報が得られる電子図書館を、ご活用ください。今後とも、利用者と資料・情報を結びつける、質の高い図書館サービスを目指して、努力していきます。ご利用をお待ちしています。
開館時間 10:00−18:00休館日 日曜日、祝休日、年末年始(12月28日から1月4日まで)、毎月第3水曜日
所在地 〒619-0287 京都府相楽郡精華町精華台8-1-3交通機関 JR学研都市線祝園駅・近鉄京都線新祝園駅から奈良交通バス36番系統「国立国会図書館」バス停下車、近鉄奈良線学園前駅から奈良交通バス45番系統「光台1丁目」バス停下車、駐車場あり(約350台駐車可能)
連絡先 TEL 0774-98-1200(自動音声案内)
全国公共図書館整理部門研究集会報告
「地域資料の収集・保存・活用
   ―日常生活に役立つ資料の充実を目指して―」
 平成14年9月19日・20日の両日、秋田市において、平成14年度全国公共図書館整理部門研究集会が開催されました。来年度より部門が変更されるため、整理部門としては最後の研究集会です。
 全国各地より200人を超える参加者があり、「地域資料再発見」というテーマのもと、東京大学大学院の根本彰助教授の講演と3つの事例発表に基づいて、研究協議を行いました。
 今まで、郷土史を中心に考えられてきた「郷土資料」から、住民が自ら適切な判断を行い、問題解決するために必要な情報も含めて「地域資料」という言葉が使われて始めています。この中には、当然のことながら行政資料が重要な位置を占めているのですが、それらの収集には、相変わらず、どの図書館も頭を痛めていますが、良い解決策はないようです。 
 また、今まで新聞のクリッピングや新聞の折込広告などの収集・整理を続けてきた図書館では、資料として大いに利用されているようですが、それらを利用できるようにするための維持管理は大変な作業を伴い、縮小せざるを得なくなっているのが現状です。
 資料提供の面では個人情報保護の立場から、同窓会名簿は元より、同人誌、報告書の類までも利用に制限が必要になる場合もあるので、より一層の注意が大切だと感じました。
 最後に、今までの図書館は、資料を提供するだけのいわゆる消費型のサービスでしたが、これからは、付加価値を伴うサービスができるような、地域にとって欠かせない機関となるように努力していかなければならないという結論になりました。     (兵庫県立図書館 尾ア 肇)
「図書館等職員のためのインターネット・レファレンス講座」受講者のひとこと
1人1台のコンピュータで実習をする当講座には、各回14人が同じ内容の研修を4回実施ということで募集をしたところ、希望者が多く、あと2回追加することとなった。その結果、延べ84人の参加となった。
 まだ2回の講座が終了したところだが、1日中コンピュータ画面と対峙し、インターネット・レファレンスと格闘された受講者の本音のひとことを、なるべく原文のまま報告したい。
ひとこと集
・タメになった!
・目からウロコでした。
・翻訳は面白いです。直訳すぎて…
・感動しました。もう一度参加したいです。
・とても勉強になりました。必死でついていきました。
・あっという間の1日でした。
・仕事で使うのが楽しみ!
・知りたい情報が得られる早さ、すごい量に驚いた。
・途中から高度なレベルになりしんどかった。
・つかれたー!こんなに落ちついてレファレンスに専
念したいよ。

協会からお知らせ
平成15年度大会等の開催予定
○全国図書館大会  静岡県  11/27〜28
○全国公共図書館研究集会
・サービス部門   鳥取市  10/ 9〜10
・総合・経営部門  水戸市  9/25〜26
訂正のおねがい
 「兵庫県公共図書館調査 平成14年度」
・ 6p 91錦繍文庫 電話番号 06-6427-9677 
・23p 31加古川総合文化センター 文献複写枚数
          4,205枚  22,129枚
加古川市集計欄 25,517枚  43,441枚
・ 22pの43社町図書情報センターの欄に記載もれがありました。関連してp34〜36にも訂正があります。
   個人貸出貸出資料数  中央に含む
      総数 43,269 うち児童 20,131
   社町集計欄 総数 276,762  320,031
        うち児童 89,228  109,359
・34p 町立 6社町 
    エ.貸出点数 276,762  320,031
・35p B.貸出密度 13.0  15.1
    D.蔵書回転率 1.8  2.1 
    J.貸出サービス実績 568  657
・36p 市町立図書館指標順一覧5,6の順番が替わり、7の数値が変わります。