兵庫県図書館協会報 No.74 (2003.11. 1)
目次
西宮市立北口図書館長 楚和孝夫
      ・「初心忘るるべからず」 三田市立図書館  三木 博美
      ・図書室司書? 香住町中央公民館  前田 雅美
      ・本に囲まれて 姫路市立城内図書館  藤井 幸子
      ・まだまだ半年、そしてこれから 兵庫県立図書館  福永 瑞穂
生涯学習の中核施設として―ビジネスマンの応援も― 西宮市立北口図書館長 楚和孝夫
 阪神間でも有数のターミナル駅である阪急西宮北口駅に隣接する西宮市立北口図書館は、平成13年5月29日にオープンして2年半がたちました。この間、蔵書の充実に努め、現在、図書資料は約16万6千冊、視聴覚資料は約4千点を保有しております。また、非常に多くの皆様方に利用していただき、平成14年度は貸出し人数が約31万人、貸出し冊数に至っては約95万3千冊にも及びました。 この北口図書館の大きな特色として、約2,400uのワンフロアーを開架式とし、利用者の方々はすべての資料を自由に手にとっていただけるようになっています。また、ターミナル駅に隣接しているということもあり、開館時間についても他の市内の図書館に比べ、平日を午後7時まで開館し、市民の方々に利用しやすいようにしています。
 また、主に働く人たちを対象に、経済・法律等の関係実務書や各種情報誌、専門雑誌などを集中して並べたビジネスコーナーを設置しています。現在、このコーナーには、コンピュータ関連の資料(約2,000冊)、経済関係書(約2,700冊)、法律関係書(約500冊)の約5,200冊の蔵書があり、パソコンも利用できる電源付キャレルを6席設置しています。利用者は駅前の図書館ということもあり、会社帰りのビジネスマンが多いように思われます。また、情報化時代を反映して、コンピュータ関連の資料も多く利用されています。そのため、このコーナーの特色を生かすためにも蔵書の充実を図りたいと思っておりますが、財政事情が厳しい中、資料費の増額がなかなか思うようにできないのが現状です。
 このような中、北口図書館では、不明本増加対策として、BDS(ブックディテクションシステム)を導入しました。これは利用者の方が、本などが未貸しの状態で持ち出されることを防止する装置ですが、無断持ち出しの抑止効果もある反面、トラブルも発生します。例えば、機械操作上のミスや利用者の他の持ち物に反応する場合もあり、苦情の原因ともなっています。そのため、この装置の運用を慎重に行う必要があると思っています。
 しかしながら、その抑止効果の方が大きいものと思われるため、今年度、中央図書館においても設置しました。北口図書館では、館入口とAVコーナー入口の2か所に設置し、現在、高価本、貴重本、人気本を中心に約45,000冊(約30%)にタトルテープを装着しています。
現在、図書館では、保育所、児童館等へボランティアを派遣し、「お話し会」や「ストーリーテリング」などを行っています。今は市民の方が中心ですが、もっと様々な方にボランティア活動に参加していただきたいと思っています。幸い、この図書館の上階にはカレッジタウン西宮構想の推進拠点としての大学交流センターがあります。市内の学生の交流の場として利用されていますが、大学交流センターを通じて彼等のボランティア活動の場として、「お話し会」などに図書館を利用してもらうよう呼びかけております。今年の夏休みには聖和大学の学生たちによる「お話し会」が催され、非常に好評でした。これからも大学交流センターと連携して、図書館を異年齢の交流の場としても活かしていきたいと考えています。
 この北口図書館は開館して日が浅く、まだまだ市民の皆様の期待にこたえられるところまでは行っていませんが、生涯学習の中核施設として、市民に愛される図書館を目指し、職員一同頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
開館時間 10:00〜19:00(土・日は17:00)
休館日  月曜日、毎月第1木曜日 
所在地   〒663-8035 西宮市北口町1-2
連絡先   0798-69-3151 Fax 0798-64-5058
URL     http://www.nishi.or.jp/~tosho/
目・耳・心・手
「初心忘るるべからず」 三田市立図書館 三木 博美
 三田市立図書館はニュータウンとして市街地の中間に位置する図書館で、その立地を反映してか、毎日市内のあちこちから多くの利用者が来館されます。私が三田市立図書館の職員となり、はや半年がたちました。図書館員は静かに優雅に仕事をするイメージがありましたが、実際は体力とサービス精神、そして何より人が好きであることが必要なのだと日々痛感しています。私はヤングアダルトサービスを担当していますが、当初はヤングアダルトという分野をつかみきれていませんでした。しかし、「トライやる・ウィーク」を通じて、中学生と接することがいい経験となりました。夏休みには宿題をするために来館した中高生の姿を見つけると、「どんな宿題なの?」「宿題のプリントをコピーさせて」と、情報を得るまでになりました。今では図書館で中高生を見つけると声をかけたりしますが、シャイな彼らはすぐに逃げてしまうのが悲しいところです。
 まだまだ自分の能力の未熟さに落ち込む日も多いですが、新人であるからこそ利用者に近い感覚を持っていると思います。その初心を忘れず、自分らしさにこだわりながら、日々成長していきたいと思っています。
図書室司書? 香住町中央公民館 前田 雅美
 図書室司書になって1年が過ぎました。当館の図書室は公民館の奥まった一室。所蔵数もサービスも決して充分とはいえませんが、その立地条件ゆえか、図書室目当てではない方にも気軽に覗いていただけます。夜9時半まで利用できるのも、公民館の中にあればこそ、といえるでしょう。多くの人が「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」と声をかけてくださり、身近に感じてもらっているようです。
 その一方で、「よその図書館では10冊も借りられるのに…」とか「大きな文字の本はないの?」等のご指摘をいただき、申し訳なく思うこともあります。
 この一年、リクエストにしろ新刊にしろ、できる限り新鮮なうちに提供することを目標としてやってきました。近隣市町の図書館にも、一方的にお世話になってばかりです。小さいながらも、今あるものを最大限に活かしつつ、サービスを深めていきたいです。
本に囲まれて 姫路市立城内図書館 藤井 幸子
 約半年前、福祉の職場から城内図書館へ異動してきました。それまでとはまったく違う仕事に、はじめは戸惑いましたが、いまでは図書館の雰囲気がとても気に入っています。 
 もともと読書とは縁遠く、市民として図書館を利用したことは数えるほどしかありませんでしたので、カウンターに座ってみて、図書館の利用者がとても多いことに驚きました。乳幼児を連れたお父さんやお母さん、毎日のように来る小学生、開館前からロビーで勉強しているおじいちゃん。それぞれが上手に図書館と付き合い、充実した日々を送っている様子が窺えます。
 また司書の方の幅広い知識にも驚きました。利用者からの問い合わせに様々な文献から答えを導き出してくる職人技には感心します。私も図書館で働くからには、少しでも利用者の疑問に答えることができるように、これから知識を広げていきたいと思います。
 以前は読書なんてほとんどしなかった私が、本に囲まれて働くうちに、今では毎日本を読むようになりました。読書の楽しみに気づくことができたことも、図書館へ異動してきてよかったことのひとつです。
まだまだ半年、そしてこれから 兵庫県立図書館 福永 瑞穂
  私はこの春から兵庫県立図書館に勤務しています。
3月まで学校事務に就いていた私にとって、図書館の仕事はまったく初めての経験であり、まだまだわからないことばかりで、職場の皆さんに迷惑のかけどおしの日々です。
 現在、調査相談課の郷土資料室にいますが、県内の歴史や人物、事柄について資料を探しておられる方から相談を受けることがよくあります。しかし、依頼される方々の大半はすでにご自身でかなり調べておられるので、知識・経験とも不足する私ではすぐに行き詰ってしまいます。またレファレンスにはタイムリミットがあり、時には「もういいわ。」と帰られた後に資料が見つかることもあります。そんな時は本当に残念で、申し訳なく歯がゆい気持ちでいっぱいです。
 まだまだ勉強・経験不足の毎日ですが、「皆様に満足してもらいたい!」という気持ちを常にもって、1人でも多くの方々の手助けができるように頑張っていきたいと思っています。そして今以上に図書館が県民の皆さんのお役に立てて、頼りにしてくださるようになることを願っています。
☆図書館の仲間紹介☆ 震災文庫(神戸大学附属図書館)
 神戸大学附属図書館では震災後間もない1995年5月から阪神・淡路大震災関連資料の網羅的収集・保存活動を開始し、同年10月末から人文・社会科学系図書館の一角に「震災文庫」を開設しました。「震災文庫」は一般公開の方針をとっており、所属や年齢にかかわらずどなたでもご利用いただけます。ただし、資料の多くが現在では入手不能なこと、遠隔地からの利用者も多いこと、などから館外貸出はしておらず、閲覧及び複写による利用をお願いしています。
 開設から8年を経ましたが、資料収集活動は今なお活発に続いており、月あたり200件程度は新規資料の受入があります。復興に関する新しい資料のほか、震災当時の資料をご寄贈いただくことも結構ある状態です。2003年10月現在の収集資料数は約34,000件(雑誌等の各号を1と数えた件数。タイトルレベルでは約19,000)にのぼっています。「1件」にはチラシ1枚もあれば、図書一冊もあり、あるいは写真数万枚を収めたDVD一式もありますので、全体の情報量というのはうまく一口では言い表せません。
 震災に関連があればどのような資料でも網羅的に収集という方針ですので、その形態・媒体は、図書・雑誌・広報紙・パンフ・レジュメ・チラシ・ポスター・写真・地図・映像・音声…と甚だしく多様におよび、通常の図書館資料の整理・提供とは違った作業が要求されます。「資料の多様化」というとマルチメディアをまず連想されると思いますが、私どもの実感では、映像・音声資料等は再生機器の手当てさえつけば、それほどの扱いづらさは感じません。むしろ大変なのは「紙媒体の非図書資料」です。チラシ・ポスターなどの「1枚もの資料」が5000件強、パンフ・レジュメ類が約4500件、広報紙類が2000タイトル弱、といった具合に半端ではない量がありますが、これらは保存と利用を両立させようとするとケースやファイルへの収納など装備・配架にずいぶん経費と手間が要求されます。
 市販資料は全体から見ると少数派ですから、寄贈による収集に頼ることになりますが、座して待っているだけでは当然集まりません。収集担当者は、毎日、新聞等をチェックして、こまめに寄贈依頼を出すのが日課になっています。また、文庫を認知してもらうための広報活動は利用面だけでなく、資料収集面でも重要で、開設当初から積極的に行ってきました。マスコミにも何度か取り上げられて次第に存在が浸透したことから、寄贈の申し出を先方からいただくということもあります。
 震災文庫では、収集した資料を少しでも多くの方に利用いただくべく、開設当初よりホームページからの情報提供に力を入れています。最初は職員の手作りによる目録検索システムの提供からはじまりましたが、1999年に「神戸大学電子図書館システム」(全国で5国立大学に予算措置された先導的電子図書館事業の一つ)が導入されてからは、資料中の記事・写真といった細かい単位から検索できるメタデータデータベースの構築や、一次情報のデジタル化を行っています(科学研究費「研究成果公開促進費」の交付も受けています)。一次情報のデジタル化は現在、約200点(計数万ページ)に及ぶ図書等印刷資料、約25,000枚の写真、約3000枚の1枚もの資料、その他映像・音声など多岐にわたっています。デジタル化にあたっては、技術的問題や経費の獲得もさることながら、著作権処理が大きな問題です。震災文庫では、チラシ1枚であっても、依頼状をお送りして承諾書をいただくという作業を行ってからデジタル化しています。今年に入って、約20,000枚の写真を地図上から検索できるシステムをリリースするなど、さらに進化を目指していますので、ホームページにアクセスしてみていただけると幸いです。  (企画掛 渡邊隆弘)
開館日時  平日9:00〜17:00
所在地   〒657-8501 神戸市灘区六甲台町2-1
連絡先   пF078-803-7342
ホームページ: http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/
今年も盛況に開催! 「絵本ワールド in ひょうご2003」
 「子どもと絵本」をテーマに「絵本ワールドinひょうご2003」が平成15年9月6日(土)・7日(日)の秋晴れの2日間、神戸市灘区の兵庫県立美術館『原田の森ギャラリー』で開催されました。参加者は9,000人を超え、大変盛況でした。
 元永定正氏・中辻悦子氏・作田真知子氏によるトークショー、きむらゆういち氏による「『あらしのよるに』―読書とともに"進化"する絵本―」と題した講演会には多くの熱心な参加者でいっぱいでした。
 親子参加イベントは、みんな元気ジムのコンサート、人形劇団クラルテの"おひさま劇場"と、どの会場も楽しそうな親子であふれていました。
 子どもふれあい広場では、2日間で37ものワークショッププログラムが用意され、紙芝居・おりがみ・読み聞かせ・木工作・ペーパークラフト・人形劇・布の遊具作り等、さまざまな体験ができるスペースで子どもたちが楽しんでいました。
 参加者からのアンケート(回答242人)では、全体を通じて「大変楽しかった」が105名、「楽しかった」が115名あり、また、再度このような催しが開催された場合は「ぜひ参加したい」が227名ありました。感想としては、「"遊びの広場の中で絵本と出会える場"として楽しい催し物だった」「親子でともに楽しむことができた」「毎年やってほしい」「次回は朝から一日たっぷり楽しみたい」との声が寄せられ、今後への期待の大きさが窺えました。
 来年度も引き続きこの催しを開催していくことになります。兵庫県図書館協会は実行委員会のメンバーとして協力していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
平成15年度兵庫県公共図書館調査(付帯調査)の結果を表にしました。(第1回)
(加盟館93館を対象に調査しましたが、回答のあった館の数字のみあげています)
1.複写に関して
@複写の方法
方 法 コイン式 職員等 両方
館 数 46館 40館 5館(院内学級、来館困難者)
A著作権の説明
方 法 口頭 掲示 チラシ その他 説明無し
館 数 16館 59館 2館 16館 4館
※ 口頭と掲示の併用は6館、口頭・掲示・チラシの併用は1館
※ その他は、複写申請書に記載等
B−1料金(白黒)
   料金
用紙
10円 20円 30円 40円 50円 平均
A4 40館 28館 12館 1館 17円
B4 40館 27館 12館 1館 1館 17円
※21円、25円は大きさにかかわらず各1館あり
B−2料金(カラー) (実施 7館) 
   料金
用紙
40円 50円 100円 平均
A4 1館 3館 3館 70円
B4 1館 3館 3館 70円
協会からのお知らせ
今後の研究集会の予定(県内)                                         

○ 近畿公共図書館協議会研究集会(兼児童奉仕部門研究集会) 
期 日:15年12月18日(木) 10時から受付
テーマ:「新たな図書館サービスを育む」 
会 場:神戸市総合教育センター

○兵庫県図書館協会研究集会
・第2回 16年1月28日(水) 13時から受付
テーマ:「現代ヤングアダルト事情」 講 師:赤木かん子 会場:姫路市立城内図書館
・臨時(事務局企画) 16年2月19日(木)  「国立国会図書館関西館見学・懇談会」

平成16年度大会等の開催予定
○ 全国図書館大会  香川県高松市 10/27〜29
○ 全国公共図書館研究集会
・サービス部門    岩手県盛岡市 10/7〜8
・児童・青少年部門  福井県福井市 11/25〜26
・総合・経営部門 鹿児島県鹿児島市 1/27〜28
兵庫県図書館協会報 no.74 平成15年11月1日
編集・発行:兵庫県図書館協会
〒673‐8533 明石市明石公園1‐27
       兵庫県立図書館内
Tel 078-918-3366 Fax 078-913-9229
E-mail: hyotokyo@library.pref.hyogo.jp